キャップの天ボタンが折れた。それだけのことで、思った以上に時間を取られた。
正確に言うと、折れたというより「すっぽ抜けた」に近い。長年使っていたニューエラの6パネルキャップ、天辺のあの小さなボタン——布を巻き付けたタイプ——が、ある朝起きたら跡形もなく消えていた。ベッドを探しても出てこない。たぶん外で落とした。
最初はそのまま使おうとした。でも、天ボタンが欠けたキャップというのは、見れば見るほど気になる。縫い目が六枚集まっている頂点が、丸いはずなのに平べったく、どこか事故みたいに見える。捨てるのは惜しい、でも修理に出すほどでもない——そんな宙ぶらりんな気持ちで検索して、「100均に天ボタンがある」という情報にたどり着いた。
まず「天ボタン」って何なのか、自分が調べるまで知らなかった

帽子を縫ったことも作ったこともない人間には、「天ボタン」という単語自体が聞きなれない。キャップの上についている小さな布製のボタンのこと、くらいの認識しかなかった。
調べて初めてわかったのは、あれが構造上の部品でもあるということだ。六枚のパネルが集まる頂点を、内側から留めて形を整える役割を持っている。なくなると見た目が崩れるのはそのためで、ただの飾りではない。素材は布巻きが多いけど、金属製やプラスチック製のものもある。足の形状も何種類かあって、差し込んで固定するタイプと、針で縫いつけるタイプがある。
この程度の知識を頭に入れてから、近所の100均に向かった。
セリアで見つけた——でも売り場は一瞬迷った

行ったのはセリアだ。家から一番近い店舗で、手芸コーナーがそれなりに充実していることを知っていたから。
手芸コーナーに行くと、ボタン類がずらっと並んでいる棚がある。貝ボタン、スナップボタン、マジックテープ——そのあたりの定番品の中に、「帽子用ボタン」と書かれた小さなパッケージを見つけた。110円。パッケージの中には布巻きの天ボタンが複数個入っていて、色は黒と白の二種類が別々に売られていた。足は差し込みタイプで、プラスチック製の台座に布が巻いてある、よく見るやつだ。
正直に言うと、見つけるまでに売り場を一周した。「ボタン」のカテゴリだと思って探していたけど、実際は手芸コーナーの中でも少し外れた位置にあった。パッケージ自体も地味で、正面から見ると何が入っているかよくわからない。裏面の説明を読んでようやく「これだ」とわかった。
入数を確認したら5個入り。修理に必要なのは1個だけなので、残りは予備になる。まあいい。110円だし。
実際に付けてみた——工具がいらないのは本当だった

家に帰って作業した。道具は何もいらない、というか指だけでできた。
天ボタンの構造はシンプルで、足の部分(プラスチックの細い棒が放射状に広がったような形)をキャップの頂点の穴に差し込み、内側でパタンと折って固定する。専用のプライヤーがあると確実だけど、指でもなんとかなる。ただ、内側に手を入れてパネルを固定しながら同時に足を折り込む作業は、正直ちょっとだけ難しかった。キャップの内側が狭くて指が入りにくい。
最初の一個目は位置がずれた。やり直そうとしたら足が折れた。予備があってよかった。
二個目はゆっくり慎重にやって、なんとか固定できた。外から見ると、元のボタンとほぼ同じに見える。色を黒にしたのが正解で、キャップのパネルと馴染んでいる。縫い目が集まる頂点もきれいに収まった。
完成直後に軽く引っ張ってテストしたら、ちゃんと固定されていた。そのままかぶって外出して、一日使ったけど特に問題はなかった。
気になったこと——「耐久性」はまだわからない

使って一週間ほど経つが、今のところ外れていない。
ただ正直なところ、元々ついていた天ボタンと比べると、素材の質感が少し違う。元のニューエラのボタンは布の張りがしっかりしていて、触るとほんの少し固い感触があった。セリアのものは布が薄め、というか、少し柔らかい印象だ。見た目はほとんど変わらないけど、触り比べると違う。
これが長期間の使用でどう変わるかは、まだわからない。100均で買っているので過度な期待はしていないが、少なくとも「見た目を整える」という最低限の目的は達成している。
もう一点、足のサイズが合うかどうかは要確認だ。キャップによって頂点の穴のサイズが違う場合があるらしく、細い穴には細い足の製品が必要になる。自分のキャップはちょうど合ったけど、すべてのキャップに対応できるわけではないと思う。
ダイソーでも探してみた——品揃えの差

後日、ダイソーにも行って同じものを探してみた。
ダイソーの手芸コーナーはセリアより広く、商品点数も多い。でも天ボタンはすぐには見つからなかった。店員さんに聞こうとして、結局自分で見つけた。「ボタン」ではなく「服飾資材」のあたりにあった。
ダイソーで見つけたものは、セリアと同じような布巻きタイプだったが、パッケージのデザインが違う。こちらは3個入りで110円だった。入数が少ないぶん、一個あたりの単価は少し高い。色のバリエーションはセリアよりやや多く、紺色っぽいものも見かけた。
どちらが良いかと聞かれると、入数的にはセリアのほうがコスパがいい。品質の差は、パッケージ越しに触った感じではほとんどわからなかった。
「修理」より「予備ストック」として買うのもあり
使ってみて思ったのは、これは修理用だけでなく、帽子をたくさん持っている人が予備として持っておくものとして向いているということだ。
天ボタンは小さくて軽い。外れやすいかどうかは帽子の使い方にもよるけど、「ある日突然なくなっている」というパターンはたぶん自分だけじゃない。そのたびにハンドクラフト店を探すよりも、100均で一袋買って引き出しに入れておくほうが現実的だ。5個あれば、少なくともしばらくは安心できる。
キャップ好きの人や、複数の帽子を持っている人には特にそういう使い方がしっくりくるかもしれない。
100円ショップの帽子天ボタンのグッズコードは共通——代替品をAmazonと楽天で探す
100均の天ボタンが近くの店舗で見つからないとき、あるいはもう少し品質に幅を持たせたいときは、AmazonやRakutenでも同じ用途の製品が流通している。以下に三点まとめておく。
比較表
| 製品名 | 素材・仕様 | 入数 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 日本製 天ボタン 丸ボタン トップボタン ヘヴンP | 布巻き・日本製 | 記載なし | 既製品に近い仕上がりが必要な修理・手作り帽子 |
| BENECREAT 12個 野球帽ボタン 天ボタン 直径14mm | プラスチック台座・金属ピン | 12個セット | まとめ買い・複数帽子の一括補修 |
| 日本製 天ボタン 丸ボタン トップボタン ヘヴンP | 布巻き・日本製 | 記載なし | ハンドメイド帽子の仕上げ・色合わせ |
各製品について
日本製 天ボタン 丸ボタン トップボタン ヘヴンP
手作り帽子の仕上げや、既製品に近い見た目を求める修理に使われることが多い。国内製造品なので、布の色味や質感が市販のキャップに比較的馴染みやすい。
BENECREAT 12個 野球帽ボタン 天ボタン 直径14mm
12個セットで販売されているため、複数の帽子をまとめて補修したい場合や、ハンドメイドで何個も仕上げる予定があるときに向いている。直径14mmというサイズ表記がある分、取り付け前にキャップの穴径と照合しやすい。
日本製 天ボタン 丸ボタン トップボタン ヘヴンP
色のバリエーションを選びながら使いたい場面、たとえばオリジナルカラーで帽子を仕上げるときなどに選ばれることが多い製品。素材感を重視するハンドメイド向けの用途でも流通している。
まとめ——110円で十分か、というと「ほぼそう」だった
天ボタンの修理に100均を使うのはアリか、という問いに対する自分の答えは「ほぼアリ」だ。
見た目は整う。付け方はそんなに難しくない。コストは110円。迷う理由はほとんどない。
ただ、一個目の取り付けに失敗して足を折ったこと、素材の質感が元のものと微妙に違うこと、この二点は正直に言っておきたい。特に足を折るのは予備があれば大した問題じゃないけど、初めてやる人は焦るかもしれない。ゆっくり、がポイントだ。
修理後のキャップを今も普通に使っている。天ボタンが戻っただけで、見た目の印象がかなり変わった。捨てずに済んでよかったと思う——少なくとも今のところは。
耐久性については、もう少し使ってみないと正直なことは言えない。半年後にまた外れていたら、それはそれで報告するべき話だけど、今の
