100均のベーキングパウダーで十分だった話——ただし、一つだけ気をつけること
パンケーキを焼こうとしたとき、キッチンを漁ったらベーキングパウダーが切れていた。スーパーまで行くのが面倒で、とりあえず近くのダイソーに寄った。それが100均のベーキングパウダーとの出会いだ。
結論から言う。普通のお菓子作りに使うぶんには、100均のベーキングパウダーで全然問題ない。ただ一点——開封後の保管だけはちゃんとしないと痛い目を見る。
ダイソーで見つけたベーキングパウダー、実際どんなもの?

そのとき買ったのはダイソーの製菓コーナーにあったベーキングパウダー。内容量は確か50gで、110円(税込み)。スーパーで売っている馴染みのブランドの半値以下だから、初めて手に取ったとき少し戸惑った。「これで本当に膨らむのか?」という素朴な疑問が頭をよぎった。
原材料を裏面で確認すると、ミョウバン・第一リン酸カルシウム・炭酸水素ナトリウム・コーンスターチといった、ごく標準的な構成だった。製菓専門のブランドと比べて特別変わったものは入っていない。パッケージはシンプルで、デザインにコストをかけていない分が値段に反映されているんだろうな、と納得した。
粉の見た目はごく普通の白いパウダー。開封したとき少し湿気を吸っていたのか、ほんのわずかに固まりかけている部分があった。スプーンで軽くほぐしたら問題なかったけど、これが後で書く「保管問題」につながる話だ。
実際に使ってみた:パンケーキとマフィン

パンケーキ(最初の実験)
最初に使ったのは、シンプルなパンケーキ。薄力粉100g、砂糖20g、卵1個、牛乳150ml、溶かしバター20g、ベーキングパウダー小さじ1という配合。ごく基本的なレシピだ。
生地を混ぜていると、いつも通りの感触。特に泡立ちが少ないとか、粉の溶け方がおかしいとか、そういった違和感はなかった。フライパンに流して蓋をして待つこと3分くらい。表面にぷつぷつと気泡が出てきた時点でひっくり返すと、裏面はきれいなきつね色になっていた。
食べてみると、ふんわり感は十分。内側もしっかり気泡が入っていて、重たくはなかった。正直、いつも使っているスーパーのものと食べ比べしなければ差はわからないレベルだと思う。
一回目は「これで十分じゃないか」と思いながら食べた。
マフィン(二回目の使用)

次に使ったのは週末のマフィン。ブルーベリーマフィンを6個分作るレシピで、ベーキングパウダーを小さじ1と2分の1使った。
こちらも結果は良好。オーブンから出したとき、マフィンのトップがちゃんと丸く膨らんでいた。焼き上がりの高さを前回のバターを使ったスーパーのベーキングパウダーと比べる手段はないけど、見た目にも膨らみに問題はなかった。
ただ、このとき少し気になったのが——マフィンを食べたあとに感じるわずかな後味。ミョウバン系の配合のベーキングパウダーに特有の、舌の奥にちょっと残る感じ。普段気にしない人は気にならないと思うけど、個人的には「あ、ある」と感じた。ミョウバンフリーのベーキングパウダーを使い慣れている人には少し気になるかもしれない。
値段の差は「品質の差」じゃなかった

これは実際に使ってみて気づいたことだけど、ベーキングパウダーの価格差は、膨らむ力の差じゃない。ブランド・パッケージ・流通コストの差だと思う。
スーパーで売っているベーキングパウダーが200円前後するのに対して、ダイソーのものは110円。半額以下。でも、家庭レベルのお菓子作りで体感できる差はほぼなかった。
唯一差を感じたとすれば、先ほど書いたミョウバンの後味くらい。ただ、これはブランドよりも「ミョウバン系かどうか」という配合の問題だから、スーパーの安価なものも同じ後味がする場合がある。100均だから、という話ではない。
逆に言えば、スーパーのちょっといいベーキングパウダーを使う理由があるとしたら、ミョウバンフリーであることや、内容量の使い切りやすさにある。品質への信頼感というよりは、配合の選択肢の広さという意味で。
一番困ったこと:保管と湿気の問題

これが本当に気をつけてほしいことで、実際に失敗した話だ。
100均のベーキングパウダーは、パッケージが比較的シンプルで、チャック付きの袋ではないことが多い。ダイソーで買ったものも、口を折り返して輪ゴムで止める方式だった。
一度目の使用から3週間後、残りをスコーンに使おうとしたとき、粉がかなり固まっていた。湿気を吸っていた。キッチンのシンク近くの棚に置いていたのが原因だと思う。固まりをスプーンで崩して使ったが、膨らみがいつもより弱い気がした。スコーンがやや平べったく焼きあがった。失敗というほどではないけど、食感が重かった。
ベーキングパウダーは湿気を吸うと炭酸ガスを少し放出してしまい、膨らむ力が落ちる。これはどのブランドでも共通の話ではあるけど、密封性の低いパッケージだとそのリスクが上がる。
解決策は単純で、開封後はすぐに小さな密閉容器やジップロックに移し替えて、冷暗所か冷蔵庫に入れる。それだけで品質はかなり保てる。
今はダイソーのベーキングパウダーを買ったらその日のうちに小さなガラス容器に移している。それからは特に問題なく使えている。
どんな用途に向いているか、向いていないか

向いていると感じた使い方
日常のお菓子作り全般。パンケーキ、マフィン、バナナブレッド、蒸しパンなど、普段のおやつを気軽に作るときは十分すぎるくらい使える。少量だけ必要なとき、急に思い立って近くの100均で買うという使い方にもフィットしている。
頻繁に作る人にも案外向いている。消費が早ければ湿気の問題も起きにくいし、コスト面でも気にならなくなる。
やや向いていないと感じた場面
プレゼント用や人に食べさせるお菓子を作るとき——個人的には少し気を遣う。別に問題があるわけじゃないんだけど、なんとなくそこだけは馴染みのブランドを使いたくなる。理屈ではなく気持ちの問題だ。
ミョウバン系の後味が気になる料理、特にシフォンケーキやホワイト系のケーキで風味を大事にしたいときは、ミョウバンフリーのものを選んだほうがいいかもしれない。これは100均に限った話ではないけれど。
セリアやキャンドゥはどうか
ダイソー以外で試したことがあるのはセリアだ。こちらも同じく110円で、内容量や見た目はほぼ同じ印象だった。原材料の構成も大きく変わらなかった。パッケージデザインが少し違うくらいで、使ってみた感触はほぼ変わらない。
キャンドゥは近くに店舗がなくて確認できていないので、正直なところわからない。同系列の商品が並んでいる可能性は高いけど、確かめていないことは言えない。

100円ショップのベーキングパウダーの代わりにAmazonと楽天で探す定番品
100均が近くにない、もしくはアルミニウムフリーにこだわりたいという場合は、AmazonやRakutenでも手軽に買える。ここでは実際に流通している3つの定番品をまとめた。
簡単比較表
| 商品名 | 内容量 | アルミフリー |
|---|---|---|
| AIKOKUアイコク ベーキングパウダー 赤プレミアム | 450g | ✓ |
| 西日本食品 ベーキングパウダー | 70g | — |
| ラムフォード ベーキングパウダー | 113g | ✓ |
AIKOKUアイコク ベーキングパウダー 赤プレミアム (アルミ不使用) 450g
頻繁にお菓子を作る人向けに、450gという大容量で販売されている業務寄りの一品。アルミ不使用なので、成分が気になっていた人にとっては選びやすい。まとめ買いしておけばしばらく補充の手間がかからない。
西日本食品 ベーキングパウダー 70g
70gという少量サイズなので、たまにしか使わない人や、いろんな銘柄を試してみたい人が手を出しやすい。スーパーでも見かけることがある馴染みのある商品で、普段使いのパンケーキやマフィンにそのまま使える。
ラムフォード ベーキングパウダー 113g
アメリカ発のブランドで、アルミ不使用として長く知られている。113gという中容量で、使い切るのにちょうどいいサイズ感。スコーンやビスケットなど、ベーキングパウダーの風味が仕上がりに出やすいレシピで選ばれることが多い。
結局どうなのか
100均のベーキングパウダー、普段使いには問題ない。値段の差が品質の差に直結していなかった、というのが実際に使ってみての感想だ。
ただ、使い切るまでの保管方法だけは意識しておかないといけない。開封後にそのまま袋をくるくる巻いて放置すると、湿気を吸って力が落ちる。この一点だけを守れば、特に不満は出てこないと思う。
「安いから心配」という感覚は正直わかる。でも実際に使ってみたら、その心配はほぼ杞憂だった。
ただ正直に言えば、今でも用途によってはスーパーのミョウバンフリーのものを買う。100均が劣っているからじゃなくて、後味の問題だけが自分には引っかかるから。
