庭の家庭菜園に魚粉を使い始めて、もう半年近くになる。結論から言うと、悪くない。でも「最高だった」とも言い切れない、そういう話をしようと思う。
きっかけは、トマトがうまく育たなかったこと

去年の春、プランターで育てたトマトがどうも元気がなかった。葉の色が薄くて、実も小さかった。肥料をちゃんとやっているつもりだったのに、なぜか結果が出ない。
友人に相談したら「窒素が足りてないんじゃないか、魚粉でも入れてみれば」と言われた。魚粉という言葉は聞いたことがあったが、どこで売っているのかも正直知らなかった。ホームセンターに行くほどのことでもない気がして、とりあえず近所のスーパーを覗いてみることにした。
スーパーの「肥料コーナー」、意外とある

普段は食品売り場しか行かない自分にとって、スーパーの園芸コーナーは完全に盲点だった。地元のイオン系列のスーパーに入ってみたら、園芸・日用品のエリアに小さいながらも肥料棚があって、その中に魚粉の袋が数種類並んでいた。
サイズは500gと1kgのもの。値段は500gで250円前後、1kgで400〜450円くらいだったと思う。ブランド名は正直あまり覚えていない。パッケージに「有機100%」「窒素分7〜8%」という表示が目立つものを買った。においがしそうだな、と思いながら袋を持ち上げたら、ビニール越しでもちょっとわかるくらいの魚臭さがあって、そこで「ああ、これは本物だな」と妙な安心感があった。
袋の裏面には使用量の目安と使い方が書いてあったが、プランターへの具体的な分量については「適量」としか書いていなくて、そこは少し困った。結局、ネットで調べて補完した。
開封した瞬間の話をしておく

家に持ち帰って袋を開けたとき、においが予想より強かった。部屋の中でやるものじゃないと即座に悟って、ベランダに出た。粉の色は灰褐色で、さらさらしていると思いきや、少し湿り気があってダマになっている部分もあった。
質感としては、煮干しを粉末にして少し水分が残っているような感じ、と言えば伝わるだろうか。スプーンで掬うとき、細かい粒子が舞い上がるのも気になった。作業用の手袋をするべきだったと後から思ったが、最初は素手でやってしまった。手ににおいがついて、石鹸で二度洗いするはめになった。次からは必ず手袋をしている。
プランターのトマトに使った、一回目

袋の裏を参考にしながら、プランター一つあたり大さじ1〜2杯程度を土の表面に薄くまいて、軽く混ぜ込んだ。有機肥料なので即効性はないと知っていたから、焦らずに待つつもりでいた。
一週間後、特に変化はなかった。そりゃそうだ。
三週間後くらいから、新しい葉の色が明らかに濃くなってきた。以前は黄緑がかっていた葉が、きちんとした深緑になって、茎も少しがっしりしてきた気がした。実感として「効いているかも」と思ったのはそのあたりから。
ただ、一つ問題があった。ベランダに置いたプランターのにおいが、雨が降ったあとにきつくなること。隣のベランダに迷惑をかけていないか、少し気になった。密集した住環境で使うには、においの管理は軽視できないと感じた。
二回目以降:慣れてきたこと、気づいたこと

その後、ナスとピーマンにも試した。使い方は同じで、土に混ぜ込んで水をやる。ナスは比較的反応がわかりやすかった。葉が広がってきて、花の数も増えた。ピーマンは正直あまり変化がわからなかった。土の状態や水やりの頻度もあるだろうから、魚粉だけの効果とは言い切れないが。
気づいたのは、与えすぎたときの変化だ。一度、「もっと早く効かせたい」という気持ちで量を多めにしたことがある。そうしたら葉の端が少し焦げたようになった。窒素過多になったのかもしれない。有機肥料は安全側だと思い込んでいたが、やはり量の加減は必要だと学んだ。
「スーパーで買える」ことの実際の意味

ホームセンターに行けば種類はもっと豊富だと思う。おそらく量も多く、価格も割安なものが見つかる。それでもスーパーで買うことに意味があるとすれば、「ついでに買える」という一点だろう。
食材を買いに行ったついでに肥料棚を覗いて、500gの袋をカゴに入れる。それだけで始められる手軽さは、ホームセンターまでわざわざ行くのが面倒な人間にとっては十分な理由になる。自分はそういうタイプだった。
ただし、スーパーで売っている魚粉は品揃えが少ない。同じ商品が翌月には棚から消えていることもある。継続して使おうと思ったとき、同じものを安定して手に入れられる保証がない点は、不便に感じた。
においについて、もう少し真剣に考えた

使い始めてから気になり続けているのが、やはりにおいの問題だ。単純に不快というだけでなく、虫を引き寄せる可能性もある。実際、魚粉を使い始めてから、ベランダにコバエのような小さい虫が増えた時期があった。気候の影響もあるかもしれないが、無関係とも言い切れない。
土に深く混ぜ込んで表面に出てこないようにする、使ったあとすぐに水をやって土に馴染ませる、そういう工夫をするとにおいがかなりおさまることに気づいた。最初の頃は表面にパラパラとまくだけだったから、においが残りやすかったのかもしれない。
使い方次第で印象がだいぶ変わる肥料だと思う。
保管の話

残った魚粉の保管方法を最初は考えていなかった。袋のまま室内に置いていたら、においが漂ってきて妻から苦情が出た。当然だ。
今は、ジップロックの大袋に移し替えて、ベランダの日陰に置いたプラスチックケースの中に入れている。直射日光と湿気を避けたほうがいいと判断した。夏場はどうなるかまだ試していないが、今のところカビや品質の劣化は見当たらない。
スーパーの魚粉、向いている人・向いていない人
使ってみてわかったことをまとめると、こういう人には合っていると思う。ベランダや小さい庭でプランター栽培をしている人、有機系の肥料を一度試してみたい人、ホームセンターに行く手間を省きたい人。
反対に、においに敏感な環境にいる人や、マンションの共用廊下しか置き場所がない人には、ちょっと難しい面もある。においをどう処理するかが、使い続けられるかどうかの分かれ目になる気がした。

100円ショップの魚粉の代替品をAmazonと楽天で探す
100円ショップで見つからないとき、あるいは継続して使いたいときの候補として、AmazonとRakutenで入手できるものを3つ挙げておく。
比較表
| 商品名 | 内容量 | 主な用途 | Amazon | 楽天 |
|---|---|---|---|---|
| 離乳食 魚 パウダー 国内製造 お魚100% | — | 食用・料理 | ○ | ○ |
| 花ごころ 魚粉 500g | 500g | 園芸・肥料 | ○ | ○ |
| オカベ 煮干し粉 400g | 400g | 食用・出汁 | ○ | ○ |
離乳食 魚 パウダー 国内製造 お魚100%
食用途向けの魚パウダーで、国内製造・魚100%という点が特徴。離乳食用として設計されているため、添加物を避けたい料理にそのまま使いやすい。だし代わりに味噌汁や炒め物に混ぜる使い方が一般的で、肥料用途には向いていない。
花ごころ 魚粉 500g
園芸用途に特化した魚粉。家庭菜園や鉢植えの元肥・追肥として使うことを前提に作られており、窒素分の補給を目的とした土への混ぜ込みに対応している。この記事で取り上げてきた使い方に、三つの中では最も近い。
オカベ 煮干し粉 400g
煮干しをそのまま粉末にしたもので、だしを取る手間なく料理に混ぜて使える。ラーメンのスープ、煮物、卵焼きなど、うまみを足したい場面で幅広く活用されている。食品として流通しているため、肥料としての使用は想定されていない。
結局、また買うかどうか
正直に言うと、次はホームセンターで買おうと思っている。スーパーで手軽に始められたのはよかったが、量が少なくて割高感があること、品揃えが安定しないこと、この二点がじわじわと気になってきた。
使い続けるなら、もう少し大容量のものをまとめて買うほうが経済的だと思う。最初の一袋としてスーパーで買うのはありだった。でも「スーパーの魚粉」に長期的に頼るかというと、自分には合わなかった。
トマトの結果だけで言えば、去年よりも明らかに良かった。それは事実として書いておく。魚粉のおかげかどうかは、正直確信がないけれど。
